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三大泣きっ面に蜂

大学卒業後上京して、半年くらいアルバイトが見つからなくて、なんとか採用してもらったのがスーパーの惣菜コーナーの調理でした。そこはもうベテランたちで空気が出来上がっていて、23歳にもなって人見知りをやっている僕が入る余地はありませんでした。朝から黙々と餃子を包み続け誰とも喋らずに退社という毎日でした。その日も同じような一日をやり過ごし、もうやってらんないなと思った僕は一人飲みに行くことにしました。なんとかボソボソと注文をし、料理を食べビールを飲んでいたのですが、追加注文の際のあんちゃんの「はい?」で心は折れました。もうドキドキしてとにかくさっさとここを出ようと思い机の上のものを平げお金を払い外へ出ました。俯いて歩いているところにやって来たのは溺れるほどの豪雨で情けないやらなんやらで泣いても誰も気づかないので泣きながら帰りました。今なら小便でもしながら歩きますが、その頃のぼくには出来ませんでした。あとの二つの話は忘れました。