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歩道橋

家から一番近い交差点に架かっていた歩道橋が撤去されました。今は横断歩道を新たに作るための準備がされています。ずっとここに歩道橋じゃなくて横断歩道があったら便利になるだろうなと思っていました。でも、とても不便であまり使っている人も見ない歩道橋からは、とてもきれいな夕焼けがみえました。 見えないこと、ものはいっぱいあって、今歩いてきた通りだって今とは変わっています。昨日あったものが今日にはないことだってあるし、さっきあったものが今あるとも限りません。大きな爆発でもあれば、振り返っていたかもしれませんが、爆発したところにそれはもうなくて、なにがなくなったかにも気づかないまま日常は続きます。それは自分の視界の外であることも多々あって、それは戦争や紛争のような大きなことかもしれないし、もっと個人的なもかもしれません。ふと見ると生垣の下にフキが生えていて、先日は蕗の薹の苦味が味わえました。他国に侵攻した国があって、視界の外では誰にも気付かれない悲しみがあるかもしれません。横断歩道ならもっと便利だろうなと思う自分もあって、歩道橋から見た夕焼けを綺麗だったと懐かしむ自分もいます。気付かずに通り過ぎたものはいっぱいあって、見ないことにしたり見捨てたりすることもあります。基準が自分でなければいいのにと思うことは多々ありますが、それはとても難しいです。とても難しくて今の僕にはできません。だから、せめて全部が自分の延長で、自分の中にあって、ずっとその悦びや悲しみと一緒に毎日を過ごせたらと思います。